火山が生んだ
石見銀山
石見銀山、輝きの源
石見銀山遺跡(仙ノ山の福石鉱床)
いわみぎんざんいせき
(せんのやまのふくいしこうしょう)
石見銀山は、16世紀に本格的な開発が始まり、量産された銀は国内外の政治経済に影響を及ぼしました。
その成功の理由として、「福石」という独特の鉱石を見逃せません。
福石は、火山灰や火山礫が堆積してできた岩石が銀の鉱石になったものです。
仙ノ山の山頂付近から東側の山腹にかけての福石が分布する範囲が「福石鉱床」と呼ばれました。
福石は大きな広がりを持って分布していることがあり、石自体がそれほど硬くないために、効率良く掘ることができました。
16世紀に導入された「灰吹法」という製錬技術で銀を取り出しやすい鉱物の組み合わせだったこともあり、16世紀から17世紀前半にかけての銀の量産につながりました。
- 1仙ノ山
- 大江高山火山の一角をなす仙ノ山は、約150万年前の噴火によって火山灰や火山礫が堆積してできた「火山砕屑丘」で、この山に噴出した温泉(熱水)が銀などを沈殿させて鉱床を形成しました。土砂状の火山砕屑丘に熱水が浸透してできた福石は、16世紀当時の技術での銀生産に適していました。
- 2灰吹法
- 銀や金の製錬(精錬)技術。1533年に石見銀山に導入された技術は、鉱石を溶かす段階で鉛または鉛鉱石を加えて鉛と銀の合金を作り、灰を敷き詰めた炉で銀鉛合金を溶かすと灰の上に銀が残るものです。