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Ⅳ暮らしを支えた
火山の恵み

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地層の海食崖

立神岩

たてがみいわ

海岸に面した断崖は高さ80mに達し、岩を切り取ったような形の島と、
はっきりとした地層が印象的です。山陰本線の車窓からもよく見え、
大田市東部のランドマーク的な存在です。
火山灰と軽石が堆積した凝灰岩が明るい色の層、
礫岩が暗い色の層で、約1500万年前に海岸で形成された地層です。
地層から、近くで火山の噴火が繰り返されたことがわかります。
岩の西には1950年まで波根湖という湖が存在しました。
中世までは港として使われた湖で、湖岸にある古代寺院の遺跡が
古くからの交易を物語ります。
港の目印や航海の安全を祈る岩を立神岩と呼ぶ例が他地域にいくつもあり、
この立神岩も港の目印としての役割を果たしてきたのでしょう。

CHECK POINT

1山陰本線
山陰本線が石見大田駅(現大田市駅)まで開通した1915年、若き日の芥川龍之介が鉄道で波根を訪れ、私信に辺りの景色が美しかったことを記しています。

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